それでも人生にイエスと言う

もう、ただの日記だに

【漫画】巴亮介『ミュージアム』を読んだ

Amazon Kindleで1巻が0円だったので、買ってみました。刑事VS連続殺人鬼の典型的なサスペンス漫画。

ミュージアム(1)

ミュージアム(1)

夜中に家族が寝静まったところで、こっそり1巻読んだんだけど、1巻を読み終えたところで、まぁよくあるネタだよなぁー。と思ってさして興味を持たなかった。だから本当は続刊を買うつもりもなかったんだ。

私刑ネタは完全に「SAW」だよな。あの殺し方は「世にも奇妙な物語」にあったよな。とか、いろいろネタ元が気になりだして、皆はネタ元についてどう思ってるんだろう。とうっかりGoogle検索してしまった。意外や意外、評判が良くて、しかも3巻で完結するというじゃないの。まぁ、大した金額じゃないし、買ってみるか。とポチポチポチっと。

で、読み終えた感想はというと、うーーーーん。

この作品は全体的に登場人物に魅力がないんだけど、特に犯人側の殺人鬼に全く魅力を感じない。その殺し方の一貫性のなさがどうも気になってしまった。

無差別私刑だと思ったら裁判員を狙っていた。まぁ、そこまではいいよ。問題は、その理由。「私のアート作品を別の人の作品だと勘違いされたのが悔しい」って…。

完全に私怨なのに、その人の罪を罰する「私刑」という体にする必要あんの?あぁ、ひょっとして裁判員だからなのか?あと気になるのが、殺人を芸術作品として捉えてるはずなのに、土壇場では主人公の相棒刑事とかリークした医者とかあっさり殺すところ。しかもごくふつーの方法で殺す。

そして、何故か追ってくる主人公刑事に対しても、私刑めいたことをする。え?彼に恨みあったっけ?(確かに1巻で顔見知りぽいことは言ってるけど、その伏線は回収されていない)

私の勝手なイメージだけど、この手の殺人鬼って、殺人自体を非常に崇高な行為と考えているから、自分の美学に反する殺しはまずしないのよ。つまり、あるルールに則って被害者候補が選定されるけど、それ意外の人は基本的に殺害対象にはならない。仮に、規範から外れてしまった止む終えない殺しも、なんとかその美学に当てはめるように調整しようとする。今作で言うと、例えば、途中で突発的に殺された相棒刑事とか医者も、それなりの作品に仕立てあげられるものじゃない?最近で言うと、アニメ「サイコパス」の佐々山もそのパターンで、殺された後に標本化されたよね。

つまりさ、このキャラクターだと行き当たりばったりの行動をするようにしか見えない。そう、この殺人鬼には知性が感じられない。とでも言えばいいのか。

何がイマイチなのか、うまく表現できないのがもどかしいけど、読み終えた後の興奮や高揚はまるでなかった。 ホラーとかたくさん見てると、ネタ元がだいたい推測できてしまうから、サスペンス楽しめないのかもしれない。

ラストの裏真実については、ここでは触れません。