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それでも人生にイエスと言う

もう、ただの日記だに

『伝える力』池上彰

読書 備忘録
伝える力 (PHPビジネス新書 28)
池上 彰
PHP研究所
売り上げランキング: 3334
おすすめ度の平均: 3.5
2 寄せ集めの1冊という感じ
4 読みやすい
3 「危機管理」は新鮮!
2 伝える力を考えさせられました
2 「本」としての「伝える力」にメリハリがほしい

自宅最寄の小さな書店で、たまたま見つけた新書。

感想を一言で言うなら、散漫としたハウツー本だな。という感じ。 文章はとっても読みやすくて、2時間もあれば読めてしまう。だけど、読み終わって…「で、なんだったっけ?」と思ってしまい、一貫した論点が何も残ってこないんです。

たぶん、散漫に見えるのは、概念的な話と具体的な話とがごちゃ混ぜになっているのが、一番の要因なんじゃないかな。コミュニケーションの流れって、「聞く」→「理解する」→「(伝えるために)再構築する」→「実際に伝える」 というのが基本の流れだとは思うんだけど、その流れが全くつかめない…。具体的な事例や手段について出されても、飛び飛びになってる部分がよくあって、「あれ?この話って、コミュニケーションの上でどこの部分を指してたっけ?どこで実践すればいいんだっけ?」とか思ってしまう。

もちろん、必ずしもコミュニケーションの流れに則って伝える必要はないと思うけれど、それでもやっぱり分かりづらい展開が多い。

たとえば、第1章の「伝える力」を培う では主に、”伝える前に、伝えたいこと自体をきちんと理解していなくてはいけない”ということを言ってるから、フムフムそうだよなと思ったら、”そもそも、自分はきちんと理解していると奢るべきではない。他の人の声を聞いて、自分の頭の中を整理しろ”という展開になって、最終的に”人の話を聞く姿勢ってのは…”という話になる。これじゃぁ、一番初めの、”伝えたいことをきちんと理解する”手段ってのは、”人の話を聞け”ってなるわけ?と一瞬感じてしまうじゃないかしら。

サクっとは読めたものの、こんな調子だったので、あまり身に入ってません。いや、サクっと読めるからこそ、結局流し読み程度の理解になってしまうのかもしれないですね。 そもそも、私が直近で求めているコミュニケーション本は、コミュニケーションがうまくできない致命的な問題を明らかにしてくれる本。実践的な記述は確かに役には立つと思うけど、どれも表層的な手段ばかりで、コミュニケーション能力が致命的に欠如している私の助けにはなりませんでした。

読みやすいし、批判もしないけど、別段お勧めできるわけでもない本です。

ところで…わざわざ言うことでもない気がしますが、「第3章の25(6).悪口は面と向かって言えるレベルで」については、全く共感できませんでした。

たとえば何人かが集まって話をしているとします。そのとき、誰か一人がトイレに立った。すると、話題がその人のことになって、場合によっては悪口を言ったりします。 そうした場合、私は話題の主が戻ってきたときに、「実は今、おまえがいない間に、おまえの悪口をはなしていたんだぞ」とわざと暴露します。本人がいないところでいう悪口は陰口になるからです。 「きついな」と本人にも悪口を言った人にも言われることがありますが、悪口を言ったことを本人に伝えることで、その人との間にある種の信頼感が生まれるのも事実です。

この記述を読んだ時、それはないだろ。と思いました。信頼感が生まれる?嘘を言うな!です。 少なくとも、私が悪口を言われた立場で「あなたの悪口を言ってたよ」といわれたら、実際に悪口を言った人よりも、その告げ口をした人の神経を真っ先に疑います。 人なんて、多かれ少なかれ誰かに不満があるもの。陰口は絶対に消えることはないでしょう。ただ、度を越して黙っていられないくらいひどい陰口の場面に遭遇したときには、その陰口を言ってる人間を戒めればいいだけじゃないでしょうか。本人にわざわざ伝えることのどこにメリットがあるのかさっぱり理解できませんね。