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Bank Band with Salyu『to U』レビュー

現在の私の子守歌になってます。できるだけたくさんの人に聞いてほしい。

to U

to U

この歌ができた経緯を全く知らないものですから調べてみました。

今回の『to U』はBANK BANDの新曲として2004年末にプロトタイプが誕生し、当初は小林武史がプロデュースを手がけるボーカリストSalyu(サリュ)が仮歌を歌っていました。そのデモをTBS“NEWS23”の筑紫哲也さんをはじめとするスタッフが聴き、曲の世界観と“NEWS 23”のこの春の改編の“再生”というテーマが見事に合致しているということで、同年3月28日から番組のテーマ曲として採用されています。その後桜井が歌詞を新たに書き足し、自らのボーカルを加え“BANK BAND with Salyu”という名義で7分15秒に及ぶバラード大作が完成しました。

apbank | toU

お恥ずかしい話ですが、私はapBANKの存在を知りませんでした。BANKBANDのアルバムは持ってたんですけど、その趣旨を始めて知りました。 そういえば、私の地元(静岡)の友人が「運よくチケットが取れたので、つま恋でやるフェスに行かないか?」と誘ってくれていました。その友人は「ミスチルならミルキーだと思ったから一番に誘った。」なんてうれしいことを言ってくれたんですが、私は現在、北国で、学校の方も忙しく動くに動けなかったので、泣く泣くお断りをしました。今思えば、それがap bank fes'06だったのですね。今年は、桑田さんが参加されたそうで、何年ぶりかの『奇跡の星』を唄ったようです。…と話が逸れてしまいましたね。もっと早くapBANKのこと知っておきたかったなぁと後悔です。

タイトルの『to U』の、“U”は“You”と“Univuers”のダブルミーニングで、曲の世界観のスケールの大きさ、そのメッセージが個人のレベルにまで浸透していくストーリーを端的に表しています。この曲を通してひとりでも多くの方の、未来の新たな可能性を想うきっかけが生まれてくることを願っています

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ありきたりな表現だけど、この曲は本当に美しく、そして大きい。 私はこの曲を今は、ずっと眠るときにひたすらエンドレスで流しっぱなしにして聴いています。 心地よい歌声で綴られる歌詞の意味を汲み取りながら…目をとじていろんなことを考え、そして眠りに就きます。

この曲の歌詞っていうのは、飾った感じがしません。そのためなのでしょうか?眠るときに聴いても精神的にあまり負荷がかからない感じがします。それどころか、その歌の世界にどっぷりつかって、その歌の情景がありありと目に浮かんできます。

Aメロ 池の水が鏡みたいに空の蒼の色を真似てる 公園に住む水鳥がそれに命を与える Bメロ 瓦礫の街のきれいな花 健気に咲くその一輪を 「枯らす事なく育てていける」と誰が言い切れる? 『to U』歌詞

特に上の部分がすごくイメージをそそられます。歌によって情景が自然に浮かぶのは私にとっては本当にマレで、だから…あぁ、私に、絵心がないことをこれほど悔やんだことがありません。このイメージをどうにかして表現したいのに!!!

Aメロサビ 悲しい昨日が 涙の向こうで いつか微笑みに変わったら 人を好きに もっと好きになれるから 頑張らなくてもいいよ Bメロ 雨の匂いも 風の匂いも あの頃とは違ってるけど この胸に住むあなたは 今でも教えてくれる 沈んだ希望が 崩れた夢が いつの日か過去に変わったら 今を好きに もっと好きになれるから あわてなくてもいいよ 『to U』歌詞

ついつい、無理をしがちな現代人、いや、がんばる、無理をするってことが当たり前になってる現代人に、「がんばらなくてもいいよ」「あわてなくてもいいよ」と言ってくれる。なかなか言えない言葉ですよね。

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歌詞自体のメッセージはストレートなのに、こんなにもスケールが大きく暖かく感じるのは、櫻井さんとSalyu、そして小林さんのアーティストとしての力量がものを言ってるんだろうなぁと心底思います。最近の若いアーティスト(10代くらい)では出せない深み。というか10代アーティストに「がんばらなくてもいいよ」なんて唄われたら暴動起こしますよ(笑) …とは言っても、Salyuはそれほど年が行ってるわけでもないんですが(笑)ほら、彼女の声って神秘的だから奥深く感じてしまうのです。

to Uを聴いていて、本当に上手いなぁって思うのがハモリのところですね。私は以前こういう類の音楽をちょっとかじったことがあって、そのときに知り合った人から、いろんな話を聴いたのですが、「ヴォーカルとしてやってる人が、コーラスをする。」っていうのは意外と難しいらしいのです。コーラスは唄だけど、あくまでメインを引き立てる唄い方をしなくてはいけないので、波長とか、唄い方を合わせるのに、自分の唄い方を崩さなくてはいけないから。ヴォーカルに求められるのは華とか個性だけど、コーラスに求められるのは何より技術らしいです。 この唄は、AパートのメインはSalyuで、Bパートメインは櫻井さんになってます。コーラスはその逆になるんですが、きちんと役目を果たしてますよね。それぞれコーラスの入り方がすごく上手い。二人とも声質が全然違うのに。

コーラスを意識してない場合はこんな感じになるというのがこちら。⇒ap bank fes’05. - to U 皆、プロだからソロは上手いんだけど、合唱になったとたん浮いちゃう…。男性陣はそれほどでもないけど、女性陣が特に…ヒトトヨウの個性が強すぎて、浮きまくってるのが悲しい。(個人的には、この映像ではトータスが一番お気に入り)

最近の曲でココまで心を惹かれるのは珍しく、でもそれだけの大きさがこの曲にはあると思います。 『できるだけたくさんの人に聞いてほしい。』とは皆さんがおっしゃってることですが、それはセールスPRとか売り文句ではなく、真実の言葉なんだろうな。て思います。 私も、この曲を聴いてて本当に心から思うから……「もっとこの感動を分かち合いたい」って。

(関連リンク) ORICON MUSIC:BankBand『小林武史ロングインタビュー!新曲「to U」、apbank fes'を語る』

(動画リンク) YouTube: to U NEWS 23 YouTube: to U PV(歌詞入り) YouTube: ap BANK fes. YouTube: BANK BAND with Salyu "to U" in NEWS23  2005/05/21 YouTube: bank band with salyu-to u (ミュージックステーション) Bank Band with Salyu - to U

(参考リンク) うたまっぷ:to U (歌詞) Wikipedia:Salyu